
新鋭ブランド「NIBUR/ニブール」とは?【前編】

2017年AWシーズンよりスタートした新鋭ブランド「NIBUR/ニブール」。
ご存じない方がほとんどであると思いますので、どのようなブランドなのか、ご紹介致します。
NIBURは、伝統的な製法を駆使し、職人が全ての行程を手作業で行うレザーブランドです。
革の切り出しから、革裏の磨き、縫製、コバの磨きまで、これら全ての行程が手作業なのです。
中でも、「サドルステッチ」と呼ばれる縫製技法、「切り目本磨き」と呼ばれるコバの処理方法等の、エルメスの様な超一流ブランドくらいでしか殆どお目にかかれない製法を採用しているのが特徴です。

サドルステッチは、1本の糸の両端にそれぞれ針を付け、1針毎に糸を交差させて革を縫い進める手法です。ミシン縫いとは異なり、一縫いする度に針がしっかりと革を貫通して互いの糸を交差させている為、仮に糸が擦り切れたとしても連鎖的にほつれて来ることがありません。全てが手作業で無ければ成立せず、非常に手間と時間を要する手法の為、こちらの製法を採用しているブランドは限られています。

切り目本磨きとは、コバ(革の裁断面)を入念に磨き、美しく見せ、そして耐久性をも向上させる手法です。コバの処理の善し悪しは、革製品の品質を表す極めて大切な行程であり、職人の技術に依存する部分です。NIBURでは、こちらの行程も全て手作業で行い、そのままでも十分美しい製品となるレベルまで丹念に磨き上げた後で、更に、薄く顔料を乗せるという二重の行程により仕上げられております。
単純に顔料を塗布しただけのコバ処理は、品質の良く無い物にもしばしば見られます。しかし、顔料を厚く塗って誤摩化すのでは無く、薄く塗って仕上げるには、その前の行程である「磨き」がしっかりと出来ている必要があります。コバの磨きが出来ていなければ、そもそも顔料が綺麗に乗らないのです。
ここまで徹底して、妥協無しで作り込むことで、圧倒的に美しく、そして耐久性に優れた作品が出来上がります。
「機能」と「情緒」を追い求めるNIBURの根底の考えが、ものづくりへの姿勢からも見て取ることが出来るのです。