
歴史を紡ぐ

新店舗"Solitary"に入ってすぐの場所に、4mもの長さのテーブルを設置しております。
一般家庭では使われることのないこちらのサイズの天板は、今回の内装工事を請けてくださった橋本建築造園設計さんの事務所に保管されていたものです。
実はこちらの事務所は、おそらく大正〜昭和初期あたりに隆盛を誇ったであろう、シャツなどの縫製工場の跡地であったそうです。
当時の工場で使用されていたこちらの天板には、見たことがない無数の穴が空いております。

洋服の縫製の過程で発生したであろうこちらの穴について、いつもお世話になっている縫製一筋40年以上の縫製士に聞いたところ、「わたしらん時でも使っとらんかったけど、目打ち(キリみたいな道具)で生地に穴空けたり固定する時に出来たんないけ」とのことでした。
永い年月を縫製工場で過ごしてきた歴史を感じられる貴重な天板を既存の机から慎重に取り外し、滝ヶ原石と組み合わせることで新たな命を吹き込んで大切に使用させていただいております。
縫製工場という洋服の流通でいうところの「中流」から、セレクトショップという「下流」に流れ付き、新たな役目を担い再び活躍し始めたこちらの天板は、当店の顔ともいうべき存在です。
よろしければお越しの際に見て触れて、その永い歴史に思いを馳せてみてくださいませ。
Solitary
〒920-2113
石川県白山市八幡町ヌ26-12
070-9187-4449