
石に込められた想いを受け継ぐ

先日ご紹介いたしました新店舗"Solitary"のテーブルの脚として、滝ヶ原石を用いています。
テーブルの脚としては非常に珍しく、突飛とも言える使い方ですが、美しい自然に包まれた白山麓エリアにお店を構える訳ですから、この地で生まれた自然の力強さを感じられる材料をどうしても使いたかったのです。
そこで今回は、城壁や神社の石垣を積み上げるのに使われる、間知石(けんちいし)と呼ばれる石材を選びました。
間知石は、傷や筋などが入ってしまい、綺麗な石材とはならなかったものを加工して作られます。
今回当店で用いたものは、現在も唯一稼働している滝ヶ原の石切場で採石を続ける「荒谷商店」当主の先代が加工したもので、40年〜50年も使われることなく石切場に転がっていた石です。


無造作に積まれ放置されていたそれらの間知石達は私を強く惹きつけ、長き眠りから救うべく運び出し、積み上げてテーブルの脚として生まれ変わらせました。

これらの間知石は、まだ大型の機械では無くつるはしで採石していた時代のものですので、つるはしで削られた「つる目」と呼ばれる不均一な跡が無数に残っております。

このプリミティブで荒々しい表情は他では見られない大きな魅力です。
一般的な美の価値観から外れているこれらの材料を用いることは、多数派の母集団から離れるというSolitaryのコンセプトの象徴でもあります。
長い年月の経過と職人の手仕事を感じられるこちらの貴重な石材を直接ご覧いただき、その迫力を感じていただけましたら幸いです。
Solitary
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