
私の真の姿を…

Saltyでは、私が本当に着たいと思うものを、一切の妥協無く、一からデザインして作り上げるプロジェクトを行っております。
「こういうのが着たい」と頭の中で描くことは頻繁にありますが、いざ行動に移すまでにモチベーションが盛り上がることは非常に珍しいのです。
実際、以前セットアップをリリースしたのは、二年以上前です…。
そしてこの度、鉛の様に重い腰を上げてデザインした作品が、ついに完成致しました!
実はアイディア自体は二年前からほぼ完成に近いレベルになっていたのですが、いざ作ろうという段階で、求める生地に巡り会えず、伸びに伸びてここまで掛かってしまいました。
満を持したと言うよりも、結果的にここまで引っ張ってしまったという方が正確です。笑
二年以上ぶりとなるこの度の私の作品は、もちろん細部まで考慮して作り込みましたので、お伝えするべき箇所が多すぎて非常に長くなってしまうことが予想されます。
生地や縫製などの細かい話は面倒くさいという方は、ここで引き返すのが吉です。
さて、それでは参りましょう!


こちらをご覧頂きますと、袖口、裾がスパッとした仕上がりなのがお分かり頂けると思います。
実はこちらは、表裏で生地を重ねて、生地端を全て袋縫いで仕上げることで、全くステッチが表に出て来ない、非常にすっきりとした印象となっているのです。
もちろん襟部分も同じ仕様で、リブも無く、カジュアルさの無い、やや無機質な雰囲気が特徴です。
先程、表裏で生地を重ねてあるとお伝え致しましたが、こちらはリバーシブルで着用出来る仕様です。
本当は「リバーシブル」という一般的な表現にしたくない程、縫製には手間を掛けました。(受けて下さった工場の職人さんに感謝です…。)




上の画像でお分かり頂ける様に、脇線、肩周りも、表裏どちらの面にもロックステッチが出て来ない様に、二枚の生地の中に縫製部分を隠しております。
巷には、リバーシブルを謳いながら裏返すとロックステッチが出て来る仕様のものも多いのですが、それは美しく無いなと感じてしまうのです。
こちらの縫製仕様では仕上がりが非常に美しく、どちらの面も完全に同じ見た目となります。
その為、どちらが表、どちらが裏と決められない「両A面」としてデザイン致しました。
生地は表、裏で異なるものを使用しております。

白生地の面では、中国を代表する超長綿であるトルファンゴールドを使用しております。
トルファンコットンは、新疆ウイグル自治区で生産される、世界三大コットンとして名高いものであり、繊維長が長く、美しい光沢があります。
また、油脂分を多く含む為にカシミアの様なヌメリのある、非常に滑らかな肌触りが魅力です。
そのトルファンコットンの60番手という細く上質なものを2本引き揃えて編み上げることで、ただ柔らかいのでは無くハリのある、しっかりとした生地となっております。
美しい光沢としっかりとしたハリのおかげで上品な印象と高級感があり、無地カットソーであるのに目を惹きます。

パープルの生地では、スーピマ綿を使用しております。
こちらも世界三大コットンとして有名で、もはや説明も要らない程かと思います。
先程のトルファンコットンと同じく超長綿に分類され、光沢、滑らかさに優れております。
こちらも先程の生地と同じ60番手のものを使用しておりますが、複数の糸を撚り合わせずに単糸として編み上げたことで得られた、柔らかな質感が特徴です。


表裏を使い分けることで、この二種類の生地の見た目に違いが生まれるのはもちろんですが、肌に触れる面が変われば着心地も変わるのがこちらの作品の特徴です。
トルファンコットンの面では非常に滑らかな肌触りを、スーピマコットンの面ではふんわりと柔らかな質感をお愉しみ頂けます。
どちらも綿100%ではありながら、ここまで質感が違うというのを実感して頂きたいのです。

ここにも生地を二枚重ねにしたメリットが活かされており、二枚重ねにすることで透け感が無く、肌に直接着ることが出来ます。
その為、両面の着心地の良さを最大限にお愉しみ頂けます。
そして、色に関してです。
白は、カットソーでも一番良く活躍する汎用性の高い色であることは疑いの余地が無いでしょう。
白無地とは言えども、光沢、ハリのある生地にすることで、一枚で着用しても見映えのする仕上がりと致しました。
ベーシックカラーによる、「とりあえずこれを中に着る」ことが出来る安心感と同時に、少しの刺激があるのがSaltyらしさかなと考えておりますので、もう一方は差し色となるものに致しました。
しかし、なぜパープルなのか?
レッド、ブルー、マスタードなど、良く目にする色では無くパープルなのか?
こちらは、「白とパープル」という組み合わせに意味があるのです。
実はこの色の組み合わせは…
私の好きなキャラクターである「フリー○」をイメージしたものなのです。笑
脱いでみるとそれを感じられると思います。

まさにあのフリー○様のカラーリング笑
全力で、本気で作っておきながら、思いっきりふざけるということをしたかったのです。
サイズは2サイズ展開で、サイズピッチを広く、パターンを大幅に変えてありますので、全く別物としてご着用頂けます。
その為、通常のM、Lの様なサイズ表記では誤解を招いてしまいますので、サイズはそれぞれ「第一形態」、「第二形態」という呼び方に致します。

第一形態では、私(172cm、53kg)が着て少しゆったりとした形です。

第二形態では、肩幅、身幅をたっぷりと広く設定し、指も隠れる程の極端なビッグシルエットです。

こちらの長い袖丈は、ロールアップして着用するのもおすすめです。

カラーのコントラストが出来て、カジュアルなイメージでもご着用頂けます。
「いつもSサイズだから小さい方を」や、「いつも一番大きいサイズを選んでいるので」といった選び方では無く、各々が、それぞれのサイズを着た際に生まれるシルエットを受け入れ、自由に楽しんで欲しいという願いを込めて、
「The Free」という作品名に致しました。
皆様が、こちらをFreeにお愉しみ頂ければ幸いです。