
【YASHIKI/ヤシキ】2018AW「波の花」とは?

本日入荷が始まりました、ニットブランド「YASHIKI/ヤシキ」の2018AWシーズン。
ニット専業ブランドなだけに、秋冬シーズンは特に得意としております。
そのような中でも、今回の2018AWシーズンは、これまでのコレクションと比較致しましても、傑作揃いの素晴らしいラインナップであると感じています。(私個人の印象では無く、これまでのYASHIKIのニットを沢山お持ちのお客様からも同じ意見を頂いております。)
YASHIKIのニットはこれから続々と入荷して参りますが、その前に、今シーズンのコレクションテーマについてお話致します。
2018AWのYASHIKIのシーズンテーマは、「波の花」。
聞き慣れない方もいらっしゃると思いますが、「波の花」とは、冬の強風によって波が岩場に強く打ち付けられて白い泡が出来る自然現象です。

その発生は非常に稀ですが、石川県の能登半島にある輪島市ではよく観測されることが知られています。
まさに、石川県の冬を想起させるシーズンテーマです。

風に乗ってふわふわと舞い上がり、幻想的な景色を作り上げることもあります。
この波の花に関しまして、YASHIKIデザイナーの言葉を引用致します。
[ 波の花 ] NAMINOHANA
高い波が打ち付ける岩場、凍てつく冷気厚い雲に覆われた冬の能登の海岸
多くの観光客でにぎわう夏の海とは一変どこか寂しげだった
大人になった私がそんな海岸沿いを歩いていると一人のおばあちゃんと出会った
少し会話をして別れを告げるとおばあちゃんはくるみを私にくれた
そのくるみは海岸に流れつくくるみを拾ったものだというそういえば父も昔、海岸でくるみを拾っていたのだと話していた
何十年も変わらずに続く営みその中の一つが思い出とともに巡り巡って私の元へとたどりついた
自分が知らなかっただけで変わらずにあった日常とそこから感じるぬくもり
別れたおばあちゃんを背にほんのりと熱を帯びたくるみを握りしめ
展示会場にポツンとあったくるみ。
その時は一瞥して気にも留めず過ぎたのですが、会場を後にしてから上記を読むと、その存在がはっきりと頭に浮かんで来ました。
波の花が象徴する、冬の能登の海岸。
ニットの編み地を駆使してその景色を表現したラインナップなのですが、田舎育ちの私には、その風景と共に、過去の記憶や様々な感情が生まれて来ます。
単純に「優れたデザインの作品」としてファッションをお愉しみ頂く他にも、プラスαを感じて頂ける可能性があるのが、YASHIKIのニットの魅力であると思います。