しっかりとした厚みとハリがありつつ、軽く柔らかな手触りの不思議な生地

こちらの作品では、シェットランドウールとヤク(※)を用いて手横機(※※)で編み上げた生地を使用しております。
カシミアの様な柔らかな肌当たりのヤクと、シェットランドウールの堅牢なハリを併せ持つ生地です。
度目をゆるゆるにして編み、その後縮絨させることで、しっかりとした肉感とハリはあるにも関わらず軽いという不思議な質感に仕上がっております。
極端に縮絨させることは、製品にサイズや厚さ、質感に大きなバラつきが生じる為通常のメーカーでは避ける所を、slopeslowのデザイナーは自宅で洗い直し、仕上げ直しをすることで実現しております。
理想的な仕上がりの為には手間暇を惜しまない姿勢に頭が下がります。
brushed yak/Shetland wool hoodie balaclavaと同じ糸を使用しておりますが、こちらの方がローゲージで肉厚なのにふかふかとして軽量な、着心地の良い生地です。

※ヤク……標高4,000m以上の山岳地帯に生息するウシ科の動物。カシミア並の繊維の細さで、優れた保温性を持ち、柔らかく滑らかな肌触りが特徴です。

※※手横編み機……手動で編み機のキャリッジを動かして編む機械。針の調整や目の増減も職人の手によってなされ、編むスピードも遅いものの、手横編み機特有の減らし目は魅力として捉えられています。

手仕事を駆使したことで美しく仕上がったネック

タートルのネック部分は、手作業で丁寧に繫ぐことで、手編みによる輪編みの様に縫い代が無くすっきりとした仕上がりにしております。
この手間を惜しまないことで、ネックを折り返した際に継ぎ目が無い為に非常に美しく見栄えします。
手に取って一つ一つの編み目を観察して初めて継ぎ目を認識出来る程に、本当に美しい仕上がりです。
この様に、当たり前に妥協されている様な細部まで手を抜かない作り込みが、slopeslow節だなと感じます。
肩周りは縫い代を表に出してデザインのアクセントにしつつ、着心地を向上させることにもつながっております。